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2026/04/04[ワークショップ〜アーティストの視点から〜]吉祥寺シアターにて



2026年4月4日、振付家・ダンサーの砂連尾理さんを講師にお迎えし、「アートを通じて誰かと関わるための、身体を動かすワークショップ」を開催しました。

本ワークショップは、スペシャルニーズのある子どもたちに作品を届けるためのリサーチの一環として行われたものです。

当日は、福祉・教育・芸術など、さまざまな背景をもつ約20名の参加者が集まりました。




■からだをひらく、呼吸を感じる


はじめにゆっくりとストレッチを行い、身体をほぐしていきます。

背骨や肩、腕、足へと意識を向けながら、自分の身体の状態を確かめていく時間です。


その後のテーマは「息を合わせること」。

2人1組になり、相手と向き合いながら、無理に合わせようとするのではなく、自然と呼吸が重なる場所や距離を探っていきます。

正面に立つ人もいれば、少し斜めに位置をとる人もいて、それぞれに心地よい関係のかたちが見えてきました。

人数を増やして4人で行うと、途端に難しさも生まれます。


「これで合っているのかな?」と戸惑いながらも、少しずつ呼吸や空気の流れを感じていく参加者の姿が印象的でした。




■力を抜いて、関わる



続いて行ったのは、相手からの力を受け止めるワークです。

押し返すのではなく、ただ受け入れて、流していく。

力を入れすぎず、かといって抜きすぎず、その“ちょうどよさ”を探ります。

「関わろうとするけれど、関わりすぎない」

そんな距離感が、どこか心地よく感じられる時間でした。




■わたしにとっての「ちょうどいい距離」


次のワークでは、あえて人と密着した「少し不快な距離」からスタートします。

そこからゆっくりと離れていき、自分にとって心地よい距離を見つけていきました。

さらに、自分の存在に気づいてもらえる位置へと移動することで、

「関わる」と「離れる」のあいだを行き来する感覚を体験します。



目に見える距離と、目に見えない心地よさ。

その違いを、身体で感じていく時間となりました。




■ことばから少し離れてみる


後半は、「意味の通らない会話」に挑戦しました。

あえて話の内容をつなげず、少しずつずれたまま会話を続けていきます。

最初は戸惑いもありながら、次第に笑い声が生まれ、場がゆるやかにほどけていきました。



さらに、身振りを加えながら会話を行うことで、言葉と身体のあいだに新しい関係が生まれていきます。

すぐに答えなくてもいい。

きちんと通じなくてもいい。

そんな余白のあるやりとりの中で、ふだんとは違うコミュニケーションのかたちが立ち上がっていました。






■つながったり、離れたり


最後に行ったのは「手合わせダンス」。

手と手を軽く触れ合わせながら、誰かとつながったり、離れたりを繰り返します。



無理に関わろうとしなくても、手を差し出せば誰かが応えてくれる

——そんな安心感が、空間に広がっていきました。



目を閉じながら動く人もいれば、そっと場を見守る人もいます。

それぞれのペースで、この場に「いる」ことが大切にされていました。




■それぞれの気づき



最後のふりかえりでは、多くの声が寄せられました。


「言葉がなくても、つながれる感覚があった」

「自分の呼吸に戻ることで、安心できた」

「普段の関わり方を見直すきっかけになった」

「“合っているかどうか”を考えすぎなくていいと思えた」


また、福祉や教育の現場に関わる参加者からは、

「子どもたちとの関わりに活かしていきたい」という声も多く聞かれました。




■おわりに


今回のワークショップは、「誰かと関わること」をあらためて見つめ直す時間となりました。



合わせること、関わること、離れること。

そのどれもが正解ではなく、その人なりの感覚で見つけていけるもの。

身体を通して生まれる、小さな気づきの積み重ねが、

これからの実践につながっていくことを感じさせてくれる時間でした。


今後のリサーチの展開にも、ぜひご注目ください。



次回の企画は「報告会」を予定しています。

ご興味のある方はぜひ、足をお運びください。



テキスト:小谷松





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